【住宅調査(伝統工法の家)】

5月末に熊本県北西部にある住宅の現地調査を実施しました。
 一番古い部分は、なんと明治2年とのことで、築150年以上経過していました。
  昭和に入り、茅葺屋根を一部撤去して、2階部分を増築されたとのこと。(45年程前)
   その後、南側に迫り出す形で、トイレを1坪増築されているという間取りでした。

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1階部分は、「伝統工法」という作り方になっておりまして、通常の新築などと違う点は、
 日本に古来から伝わる建築工法であり、柱が床下の「土台」という水平の木材の上に
  設置されずに、地面の高さまで柱が伸びて、石の上に載せてあるという特徴があります。
   また、壁の中には、「筋かい」という斜め材を設置されることは少なく、「貫」という
    木材を柱を貫通して水平に設置してあり、地震時は、「軸組み工法」という現在の
     木造より揺れやすい傾向があります。揺れることで地震エネルギーを吸収します。

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1階部分は、柱も大きく、室内に面する部分に関しては、傷みは少ないのですが、
 床下にシロアリが発生しており、床下の柱・土台の一部には、パッと見ではわからない
  のですが、「ドライバが刺さる」ほど、シロアリ被害がありました。

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リフォームの相談もありましたので、ご予算をお伺いしながら、
 どこまでどの様に修理をしていくのか、今後お打合せすることになります。

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木造建築部は、法隆寺などにも代表されるような構造物であり、
 定期的なメンテナンスを実施していただくことで、「長く安心して」住んでいただくこと
  が可能になります。外壁の再塗装などは、10~15年に 1回程度で問題無いと感じますが、
   白蟻は食害を始めるといろんなところへ波及していき、状況次第では、お家の寿命にも
    影響しますので、5年毎の定期メンテナンスをお奨めしております。

以上


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